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NHK総力取材「モンゴル皆既日食とHB彗星」進行中!


このページは、NHKモンゴル取材の解説ページとしてつくられたものです。私たちは、モンゴル北部・ダルハン郊外の丘陵地(標高2000メートル)にキャンプしながらヘールボップ(HB)彗星の撮影を続けます。



ヘール・ボップ彗星概要

 1995年7月23日、1つの彗星が、アメリカのアマチュア天文家ヘール氏とボップ氏によって発見されました。彗星は、発見者の名前で呼ばれています。独立して何人もの人が発見した場合は、速い方から3人の名前で呼ばれます。そのため、この彗星は、ヘール・ボップ彗星と名付けられました。
 発見当時、この彗星は、木星と土星の間にあって、アマチュアが発見した彗星では最遠のものです。発見されたときの明るさは10.5等級。有名なハレー彗星が同じ距離にいたときの明るさと比べると、何と1000倍も明るい事がわかりました。そのため、ハレーよりもずっと巨大な彗星と予想されました。
 その後、彗星の軌道が詳しく求められると、1997年4月1日、この彗星が最も太陽に近づく時には、-1.8等級まで明るくなることが計算で求められました。1986年のハレー彗星が2等級、去年の百武彗星が-1.2等級ですから、百武彗星以上の大彗星になると予想されているわけです。



HB彗星の見え方

ヘールボップ彗星は、これから3月29日くらいまでは、明け方、太陽が昇る直前の北東の空に見えます。

2月18日〜3月3日頃
明け方、空が明るくなる直前の彗星の高さは、北東の空に最も高く(地平線上20度)なり、2時間くらい彗星を見ることが出来ます。月の光の影響の少ない2月20日より少し前の頃が、尾が最も見やすいでしょう。2月20日、彗星の明るさは-0.2等級になっていると予想され、満月の明かりの元でもはっきりと存在を確認できます。
目印は、夏の大三角形を形作る1等星の中でもっとも北に位置するはくちょう座のデネブ。ここから斜め左下に目を向けるとほぼ同じくらいの明るさで輝いています。彗星はぼんやりとにじんで見えるので他の星と区別できます。

3月14日以降
夕方の空に見えはじめます。3月14日、夕方、空が暗くなった頃に、北西の地平線上5度くらいの所に、-1.5等級に輝いて見えるでしょう。したがって、3月14日〜29日間は、夕方の空と明け方の空の両方に見ることが出来ます。しかし、すぐに沈んでしまいます。このころはかなり尾もはっきりしてくると思われます。小型双眼鏡があればより迫力のある彗星の尾が確認できます。23日が地球にもっとも近づきます。

4月1日
最も明るくなる4月1日には-1.8等級で、夕方の空に2時間くらい見ることが出来るでしょう。夕方、空が暗くなった頃、彗星の高さが最も高くなるのは4月6日〜13日頃です。地平線上約20度の高さに輝いて見えます。4月6日〜8日には月の影響が全くなく、彗星を見るには最良でしょう。



日食とヘールボップ彗星の共演

 ヘールボップ彗星は夏から秋の星座を移動しており、時期的に、見にくい位置にあります。夕方や明け方の空に見られますが、空高く見えることはありません。ところがちょうど、3月9日にモンゴルやロシアの一部で「皆既日食」が起こります。日食が起こる午前7時52分には、ヘールボップ彗星は、地平線から56度(モンゴルにおいて)にも昇り、観測条件としては大変良くなります。もちろん、昼間は太陽の光がまぶしくて彗星は見えませんが、皆既日食中なら、太陽の光が月に覆い隠されて、あたりが暗くなり、4等級くらいの星まで写真撮影できますし、肉眼でも1等級の星までは容易に見ることが出来ます。この時のヘールボップ彗星は-1.3等級と予想されています。
   観測史上皆既日食の最中に彗星が観測された例は4回あります。しかし、それを映像でとらえた例はありません。多くの人たちがこの世紀の大イベントに期待しています。

 

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