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本テキストは、引用を明示しての転載可能です 2001.11.12 Shigemi Numazawa JPLinc.



2001年しし座流星群を見よう!!
(モノクロコピー配布用)


写真やビデオで写すには?


いつ見たらいいのでしょうか------(ピークは19日午前3時20分頃)

 しし座流星群は33年の周期で大出現することで有名です。今回は1999年がその年に当たりましたが、その活動は前の年の1998年から顕著に観測され、1999年には、ヨーロッパ中東付近でピーク時に1000個〜2000個の流星が観測されています。そして、今年のしし座流星群は大出現の確率が高いとして注目されています。
 ここ数年の活動のピークや、その規模までも正確に予報した天文学者デビッド・アッシャー博士により、今年もたくさんの流星が観測されるといわれているのです。
しかも最も条件のよい場所が日本を含む東アジアということです。

アッシャー博士による流星出現のピークの時間は次の通りです。

ピークの時間

だいたいの予想数(毎分)

日本での条件

18日午後7時頃(日本では不可) 10(日本では不可) しし座が昇る4時間前なので観測不可能
19日午前2時30分頃★★★ 1分間30〜40 日本で期待される第1のピーク
19日午前3時20分頃★★★★★ 1分間60以上 しし座も高くなり今回の本命

これらの時間の前後10分〜30分に流星の出現が集中します。
これらはあくまでも予想値なので、できれば、しし座が昇ってくる夜半前から空が明るくなるまで空を見上げるようにした方がいいでしょう。今のところ、予報の時間は19日の未明、つまり18日の夜半過ぎになりますが、用心のために、17日の夜半過ぎも観測した方がよいと思われます。

実際にどれくらいの数の流星が?----(1分間に空全体で60個以上)

 ピーク時の予想が的中すれば、条件のよい空で1分間に最高60個程度の流星を見ることができるといわれています。これは空全体の数値ですから、一人で見える数は1分間に10〜15個程度となります。ピーク時の総量としては、一人で100〜300個程度となるでしょう。



どんな場所で見たらいいのでしょうか----(空の暗い見晴らしの良い場所)

 しし座流星群の飛んでくる方向は、しし座の頭の部分です。その部分が地平線上に昇ってくる頃からが観測可能時間といえるでしょう。この時間は午後11時頃です。東北東の方角からしし座が昇ってきます。
本命のピーク時、午前3時20分頃、しし座の頭の輻射点方向は高度50度くらいにまで高くなります。
よりたくさんの流星を見るには、できるだけ空の暗い場所が適しています。つまり、市街地の明かりの影響の少ない星のよく見える場所です。

空の条件で流星の数は大きく変化します。郊外に行っても、薄雲があったりすると数は激減します。
できれば見晴らしのよい場所を探してください。山の谷間や木々に囲まれた場所は、視界が狭く流星の数も少なくなります。

 もちろん晴れていることが最優先です。この時期は、過去の5年間の記録では冬型の天気になることが多く、そうなると日本海側で晴れる確率は低くなります。
冬型の天気では、太平洋側が晴天に恵まれる確率が高くなります。最近は道路事情がよくなり、太平洋側に出向いて観測することも容易になりました。

注意!

夜間での移動、グループでの観望になりますと、とかくマナーの問題がついてまわります。民家の付近で騒いだり、公共の場所で明かりがまぶしいといって他の車に罵声を浴びせたり・・・問題が発生するケースがあります。十分注意しましょう。
98年の時は、太平洋側の幹線沿いの駐車場は、しし座流星群を見るための一般車で何処もいっぱいで、朝は大渋滞だったようですので、会社・学校を控えている方は、要注意というところです。




どのようにして見たらいいのでしょうか

 流星群の観測に特別な用具は必要ありません。肉眼で見るのが一番です。見る方向も空のどの方向でもかまいません。しし座を探すことができれば、その頭の方向から放射状に飛ぶ流星は、ほとんどしし座流星群の流星といって間違いないでしょう。(1時間10個程度の割合で流星群と関係のない流星も流れます)
一般に、輻射点付近の流星はゆっくりしていて短く、輻射点から離れたところに流れる流星は長くなります。
防寒や、夜食などの支度は十分に、また、事故のないように十分気をつけましょう。

 観測や研究の対象としてもまたとない機会です。個人でもグループでも簡単な観測ができます。たとえば1分間ごとに見えた流星の数を数え、記録するだけでも立派なデータとなります。全国の高校生でネットワークを作って共同観測をしようという計画もあります。詳しくは日本流星研究会のホームページ http://www.nms.gr.jp/をご覧ください。

19日午前3時20分の状況 カラーはこちら

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新潟県内のしし座流星群観測地情報

 粟島浦村----------------------灯台の光をのぞけば条件は最上
 高根・天蓋牧場-----------------途中の道路脇はひじょうによい
 黒川村・胎内平駐車場------------星まつりで知られるメッカ。17〜18夜はゲートを開放
 岩船-瀬波間・諸上寺公園展望台----頂上展望台は流星観測に適する
 神林村・天文台、ダム湖公園-------周囲のダム湖公園での観望可。空の条件はきわめて良い
 大佐渡スカイラインなど----------眺望が最高。下界の灯りも気にならない。漁り火注意
 長岡市・八方台-----------------眺望最高。特に東面がよく。しし座流星群に適する。
 弥彦山山頂---------------------新潟平野の夜景が明るいが、標高があるので有力な場所
 守門村・星の家-----------------18日は、午後9時半まで観望会あり。場所は最適
 湯之谷村・枝折峠、銀山平---------ともに、空の条件は県内屈指。車の運転には注意
 魚沼スカイライン---------------下界の灯りがあるものの、視界が良く標高も高い
 清里村・星のふるさと館----------東面は良好。18日は夜9時半まで観望会あり
 妙高高原・笹ヶ峰---------------樹木をさけて場所を選べば、条件は最高
 湯沢町・大源太-----------------周辺はきわめて条件がよい
 津川町・総合スポーツ公園---------眺望もなかなか良く、東面高速の灯り影響あるが良好


一般車の入りやすい場所を示しました。夜間の移動に際しては、周囲の状況を考え、迷惑をかけないよう注意してください。胎内平は通常夜間の進入はできませんが、17日〜19日夕刻までは、ゲートを開けていただけることになりました。

当日、各地の天文台では観望会を開くところもあるようです。直接お問い合せください。
----守門村天文台「星の家」02579-7-2122----18日午後7時より9時半まで観望会アリ
----清里村「星のふるさと館」0255-28-7227 18日午後7時より9時半まで観望会、プラネ使用
----神林村「ポーラースター神林」0254-66-6111(役場)当日は特に観望会予定なし周辺良好
----県立自然科学館--025-283-3331 




冬型の天気で、太平洋側に移動する場合は、次の場所がおすすめです。

●北部では山形県を抜けて宮城県蔵王付近
●関越道を利用して群馬県の沼田、赤城山麓方面
●上越近辺では長野県八ヶ岳西・南山麓





峠付近での積雪、夜間の無理なスケジュール等十分に気をつけてください。
日本海側で観測する場合も、雲の切れ間が生じる可能性がありますのであきらめないでください。

写真やビデオで写すには?


しし座流星群とは

 ある時期に、空のきまった方向から放射状に流星が飛ぶことがあります。これが流星群と呼ばれるもので、年間20個ほどの流星群の活動が知られています。流星群は主に、流星が飛んでくる中心の方向「輻射点」のある星座の名前を冠して呼ばれています。一年間でもっとも活発なものは、

 1月4日前後の「りゅう座流星群」 8月12日前後の「ペルセウス座流星群」 12月14日前後の「ふたご座流星群」

の3つの流星群で、「3大流星群」と呼ばれ、多いときは1時間に100〜200個の流星を数えることがあります。 
 しし座流星群は、11月18日前後に出現を見せる流星群で、普段の年は10個程度しか流れない目立たない存在ですが、この流星群を有名にしているのは「33年ごとに大出現をする」という特徴です。
前回の1966年にはアメリカで1分間に1000個を越える流星が観測され、過去にも何千何万という流星の雨を目撃した例が記録されています。
このような出現は「流星雨(りゅうせいう)」または「流星嵐(りゅうせいあらし)」などと呼ばれています。しし座流星群の大出現は、地球上で観測されるもっとも劇的な自然現象といわれています。

流星群は、宇宙にまき散らされた「彗星」のチリが地球に飛び込んで起こる現象です。チリの大きさは砂粒くらいのもので、それが上空100〜200キロの高さで、大気のまさつによって燃えて輝きます。しし座流星群の場合は、「テンペルタットル彗星」という彗星が素となっています。地球は、この彗星の軌道と11月18日前後に交差し、軌道上の多くのチリが地球大気に飛び込んできます。

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