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本テキストは、引用を明示しての転載可能です 2001.11.10 Shigemi Numazawa JPLinc.



2001年しし座流星群を撮る!!



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ここからは少し専門的な情報です

写真・デジタルカメラ・ビデオ・CCD撮影のノウハウ



写真

 カメラでとる場合は、800以上の高感度フィルムを用いて、カメラレンズもF1.4〜2.8以上の明るいものを用いたいところです。シャッタースピードはマニュアルモードにしてバルブを選択します。カメラはしっかりとした三脚に固定し、レンズは解放にして、下記の露出時間を目安にシャッターを切り、それを繰り返してゆきます。バルブシャッターを用いるには必ずケーブルレリーズまたはリモコンケーブルを利用します。

ISO800のフィルムを用いた場合
--F2.8-20分
--F2.0-10分
--F1.4-5分

ISO1600のフィルムを用いた場合
--F2.8-10分
--F2.0-5分
--F1.4-2分

ただし、この露出は空の条件のきわめてよい場所の値なので注意。空が明るい場合は露出を切りつめます。
向ける方向はどこでもかまいませんが、しし座流星群の特徴を示すには、画角の一部にしし座の頭の部分が入っていた方がよいかもしれません。

注意)流星は非常に写りにくい。高速で移動しているために、シャッタースピード1/60秒位の高速シャッターで記録しているのに等しい。そのため、肉眼で1等程度の流星よりも明るいものしか写らないと考えた方がいい。きわめて見栄えのいい流星は-2等以上である。可能なら、F1.4の明るいレンズにISO1600の高感度フィルムを用い、2分の露出を繰り返す(各社からでている自動撮影装置やレリーズを用いると便利)

また、広い範囲を写すために広角レンズを用いたいところだが、広角レンズは、流星の写りも短く、等級も明るいものしか写らない。もっとも写るレンズは、50ミリの明るい標準レンズで、広い写野を確保するために、複数のカメラを様々な方向に向けて撮影するといった方法がとられる。




デジタルカメラ

 最近普及しているデジタルカメラを用いる場合は、できれば長時間シャッターのついている機種が適しています。とにかく撮影してみることをおすすめします。デジカメは撮影したその場で確認できますので本番前にテストしてみるとよいでしょう。
デジタルカメラの特性上、露光時間を長くするときまった場所にたくさんのノイズが発生します。これは、機器の不良ではありません。
 富士フイルムのファインピクスS1Pro、キャノンD30, ニコンD1-Hといった業務用の一眼レフデジカメは、ノイズの制約はあるものの天体撮影が十分可能です。露光時間の目安はISO1600に設定した場合、F1.4レンズで20〜30秒です。




ビデオ

 ビデオ撮影は、流星群をもっともリアルに記録する手段といえます。最近ではビデオ単体での感度も改善されています。ソニーのハンディカムに装備されているナイトショットは流星撮影に有益といえます。また、ふつうのカメラでも真っ暗な中に明るい流星はとらえることができますので、とにかく空に向けて録画してみてはいかがでしょう。ピントは必ずマニュアルにして合わせ、三脚などに固定して、手ぶれ防止機構はOFFにします。

 本格的な撮影には「暗視装置」などを併用し、それで数千〜数万倍に増幅した映像をカメラで記録する方法がとられています。
しかし、暗視装置は大変高価であり、今回の同時多発テロ、アフガニスタン空爆の影響で、外国の暗視装置は入手がきわめて困難な状況です。(暗視装置はI.I イメージインテンシファイヤとも呼ばれる戦略物資である)
I.Iに関する情報ページ

 そこで注目されているのが、ワテックの超高感度モノクロカメラ「ネプチューン100」です。
F0.8等の明るいレンズを装着すると、リアルタイムに6等星以上が記録でき、流星観測者に支持されています。
なお、ビデオにおいてもレンズは広角すぎると星の写りは極端に悪くなります。本カメラにおいては経験的に8ミリ以上のレンズがよく写ります。8ミリレンズを用いた場合の画角は長辺約40度です。価格は本体とレンズ込みで80000円程度となります。詳しくはワテックHPを、F0.8の明るいレンズについてはアストロアーツ協栄産業
 肉眼で観測可能な流星は、4等級よりも明るいものがほとんどです。ネプチューン100を用いると、5〜6等級の流星まで記録することができますので、肉眼で観測するよりも暗い多くの流星をとらえることになります。

実写テスト画像





冷却CCD

 天体撮影用冷却CCD は、今日の多くの天体画像ファンの期待するところです。しかし、撮影条件はフィルムやデジカメに似ています。
 9ミクロンピクセルの普及型CCDの感度は高感度フィルム程度なので、画角の狭い分だけハンディーを背負うことになります。遠征撮影の電源の確保、寒冷地でのパソコンの動作も注意しなければなりません。
 20ミクロン以上の大型ピクセルのCCDは、高速移動する流星の記録に適しています。ただ、フィルムよりはよく写るにしても、リアルタイム記録が可能なビデオより、記録できる流星数は少なくなります。
ひじょうに高価ではありますが、24ミクロンピクセルの「裏面照射型」のCCDは、コダックのEチップに比較しても30〜50パーセント量子効率が高く、流星の撮影には最も適しています。

0.03秒露光での最微星テスト

CCDの撮影においても、あまり広角なレンズを用いると、流星数が減ってしまうことに注意しなければなりません。





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