奥三面遺跡群アチヤ平遺跡・環状配石と太陽暦


●はじめに


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1999年夏、奥三面遺跡での「環状列石で夏至の日の出実験予定」がニュース報道さ れ話題を呼んだ。私は、星にかかわる仕事をしている立場上大変興味を持ったが、そ の後実験の結果は公開されなかった。 99年最後の遺跡公開で初めて現地(元屋敷遺跡)を訪れ、調査室の係りの方に環状列 石の実験結果を質問したが、環状列石は何の因果関係も見いだされなかったという結 果を聞いた。 しかし、日の出方向を示す従来の観測施設としての環状列石の存在意義に疑問を持っ ていた私としては、実際目で見て検証したいとの欲求は捨てきれなかった。 その後、ホームページ上で安田毅さんのバーチャル博物館を拝見し、同氏の厚意で遺 奥三面跡調査室・高橋保雄さんを紹介いただいた。 遺跡調査室を訪れたのは2000年9月23日と、ダム試験たん水の間際となった。

その後の幾たびかの調査で収集した資料は、
●環状配石平面図及び立ち石位置(遺跡調査室より)
●スリットカメラによる現地パノラマ画像
●ランドサット衛星画像
●夜間の星野写真
●遺跡関連調査資料、調査報告書(遺跡調査室より)

となる。

この他、地質関連の専門家の立場から風岡 修さん、松田 隆さん(キタック)に意 見をうかがった。

なお、解析にはFormZ, Electric Image 等の3Dソフト、天文考証ではVoyager-II 及びVoyager-IIIを多用した。

調査において、アチヤ平遺跡の第10配石「環状配石」は当時の年間カレンダー(太陽 暦を中心として月の暦「太陰暦」を併用していた可能性もある)としての性格が強い との認識が強まったのでここに報告する次第です。

本レポート内容の調査の過程でお世話になった皆さんに感謝申し上げます。

2000年10月30日

日本プラネタリウムラボラトリー(有)

沼澤茂美




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