にいがた星紀行
第128回
1998/7/12
ホームビデオで夜空を
意外と写る天体の数々
七夕も過ぎて、セミの鳴き声を耳にするようになりました。前線が北にぬけて、太平洋高気圧に覆われる夏の空がもうすぐそこまで来ています。夏休みを前に、家族でキャンプの計画などをされている方もいるのではないでしょうか。最近は、行楽に付き物のホームビデオカメラ、その機能は、かつては考えられなかったほど高性能化しています。そんなビデオカメラを星空に向けて撮影する事はできないのでしょうか。
実際に、夜晴れた日にビデオカメラを外に出して上をとっても、暗い映像にざらざらしたノイズが目立つだけで昼間の撮影とはまるで異なった映像です。ただ、少しズームアップして注意深く明るい星に向けてみると、1等星や2等星の星が写ることがあります。それよりも明るい金星、木星、土星などの惑星も十分写りますし、望遠鏡を通して見口のところにビデオカメラをくっつけてみると土星の輪など惑星の拡大した姿を写し取ることもできます。もちろん、惑星よりも明るい月を撮るのは簡単です。ビデオカメラの焦点距離を伸ばすテレコンバーターというレンズを用いれば、望遠鏡なしでもいくつかのクレーターを写し取ることができるでしょう。
家庭用ビデオで最近のビデオカメラの中には、スローシャッターという機能が付いた機種があります。通常のビデオカメラは、シャッター速度が1/60を基準としていまが、これよりも長くすることによってより多くの光を蓄積することができるのです。ただ、光を受ける部分「CCD」の特性から、あまりシャッター速度を長くするとノイズが増えるので、各メーカーでは、1/4秒程度をリミットに設定しています。
この機能があると、ずいぶんと暗い星まで写ります。レンズの性能にもよりますが、星座を形作る4〜5等星まで写ることがあります。
これから8月になると流れ星の出現が増えてきます。特に、8/11〜12日の夜半過ぎには、ペルセウス座流星群が極大を迎えます。この時には、金星ほどの明るい流星がいくつも流れるのです。その様な明るい流れ星なら、どんな種類の家庭用ビデオカメラでも写し取ることができるでしょう。
撮影法は簡単です。ただ空の自由な方向をずーっと撮影すればよいのです。向いている方向に流れ星が流れるかどうかは、運次第。
楽しい語らいや、興奮の絶叫とともにいくすじもの流星が記録されると良いですね。
キャプション:
ますます小型化が進むハンディービデオカメラ。三脚に固定して使用すれば、明るい星なら簡単に写し取ることができます。オートフォーカスは働きませんから、ピントは、手動で無限遠にセットして使います。