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Comet 73P/Schwassmann-Wachmann 3
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シュワスマン・ワハマン3彗星の解説 上図は最も明るいC核の5日おきの位置を示しました(クリックすると拡大します)
5月12日、シュワスマン・ワハマン第3彗星が地球に最接近し、0.08天文単位 にまで近づきます。当初、最も明るいC核(最も大きいらしい)が2等級、次に 明るいB核が5〜6等級まで明るくなるのではないかと予想されましたが、予想 に比べて、最近の観測では多少暗いものの、最接近時にC核は4等級くらいにな り、空が暗いところならば肉眼でも見えるかもしれないと期待されています。 シュワスマン・ワハマン第3彗星(73P/Schwassmann-Wachmann)は、1930年、 ドイツのシュワスマンとワハマンによって発見されました。約5.4年の周期で 太陽を一回りする短周期彗星で、太陽から最も離れる時には木星の軌道付近ま で達しますが、太陽に最も近づく時には地球軌道の少し内側にまで入り込みま す。 そのため、本来小さな彗星ながら、タイミングが良ければ、彗星が太陽に近づ く頃に地球にも大接近することになり、明るく見えます。1930年に発見された 時も、まさにこのようなタイミングで、地球に0.06天文単位にまで近づきまし た。 この彗星は1995年に太陽に近づいた時、急激に明るくなり、彗星の核が3つ に分裂しているのが観測されました。その後も分裂を続け、2006年4月6日の時 点では、破片の数は数十個にもなっていることが確認されました。1994年に木 星に衝突して有名になったSL-9彗星のように数十個の破片が連なって宇宙空間 を疾走しているのです。 4月10日頃の観測では、最も明るいC核が9等級、2番目に明るいB核が10等級 でしたが、11日頃には、B核が増光しました。1.2-meter SAO 望遠鏡による観 測では、B核はもはや点状ではなく細長くのびていて、崩壊したらしいと伝え られています。やがて見えなくなってしまうでしょう。 今後も大きな破片が分裂を起こすことが予想され、分裂が起きると急に明る く輝くことがあるため、注目したいところです。 現在の予想では、5月12日頃、最も明るい「C核」は4等級くらいになり、空 が暗いところならば肉眼でも見えるかもしれない、と期待されています。しか し、それ以外のほとんどの破片はとても小さく、暗いため、肉眼や小さな双眼 鏡では見るのはむずかしいでしょう。 13日が満月のため、月明かりで彗星のようなぼんやりした天体は見えにくく なりますから、この彗星を見るなら、ゴールデンウィーク頃、月が地平線上に 昇る前が観望のチャンスです。 |
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