Japan Planetarium Laboratory
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3月31日、全国各地で、さそり座の1等星アンタレスが月(月齢20)に隠される現象(星食)が見られました。しかし、冬型の天気だったために東北北陸の日本海側など、観測できなかった地域も多かったようです。
1999年以来、久々の1等星の星食です。新潟では、0時20分頃、アンタレスが月の明るい縁の背後に隠され(潜入)、1時29分、暗い縁から出現(出現)します。潜入の時のアンタレスの高度は10度、出現時の高度は18度でした。
アンタレスは二重星です。主星はオレンジ色の1.0等級、伴星は青色の5.5等級で、光度差が大きいのと二星の離角が約3秒(2.4秒)で接近しているため、普段は二星に分離するのが難しい星です。今回の食では、暗い縁から出現するとき、伴星の方が先に飛び出してくるので、この時伴星を見ることができるかもしれないと期待されました。伴星が発見されたのは、このような「食」の時で、1819年のことでした。
ちなみに、以前チリのラスカンパナス天文台で、持参した20センチシュミットカセグレン望遠鏡で明瞭にアンタレスの伴星を眼視確認した経験があります。
当日、新潟がだめだったので福島の小名浜まででかけました。現象の性格上撮影はビデオ中心としました。
今回の注目は、出現時にアンタレスの伴星の光を捉えることにありました。
普段はひじょうに捉えにくいのですが、掩蔽時には大気のない月に隠される(月から出る)ために、はっきりとらえることができます。伴星出現から主星出現までの時間は約7秒です。
結果:
ビデオで2段階の増光が明瞭に確認できました。
また、フィールド単位での検証では1/60秒の精度で、フレーム単位での検証では1/30秒の精度で出現の経緯、あるいは主星の視直径についての情報が得られると思われます。
月の暗縁から1h42'24sに伴星の光が見え約 7s後に主星の輝きに増光しました。
この7秒はだいたい予想どおりの値です。
なお、潜入は0時30分ちょうどでした。
JPLinc.
ANTAES Occultation
Obs.point (GPS-測地系WGS84) Onahama, Fukushima Prefacture, JAPAN N 36°58' 41.2", E 140°46' 59.6" H-60.4m Celestron C-8 with x0.63 reducer WAT100 Videocamera Shigemi Numazawa |
Obs.point( 国土地理院1/25,000地図データより) N-36*58'41" E-140*46'59" H-60m 地図データは、明瞭な目印が確認できたので、特定は確度の高いものと思われる。 |
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QuickTime Movie and AVI Movie |
出現時のビデオ映像 *Quick Time 320x240 24frame/sec *AVI 640x480 29.97frame/sec |
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Image-details captured from the video tape |
詳細 出現時のビデオからキャプチャー フレームと時間補正時刻(UT)を表示 伴星出現3フレーム 主星出現6フレーム 時刻は同テープに同機材を用いて固定電話の時刻録音を行い、ノンリニア編集上で音声波形を見ながら補正しました。 表示時刻の補正値は -0.13秒です。 ただし、ドロップフレーム補正はしていません。 間違いや修正箇所があればご連絡下さい。 jpl@jplnet.com |
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Image captured from the video tape |
出現時のビデオ映像からキャプチャした画像 | |
EOS 1Ds Mark II Vixen R200SS with Coma corector |
出現後のスチル画像 | |
撮影風景 |
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